4 魂が泣いている 

 

  〜届かないクリスマス             プレゼント

 この頃はホームレスが多かった 

 終電の頃には 駅の構内の軒下

 の暗がりには 自分の身丈分の

 場所を確保し 汚れた毛布に

 包まれ眠るホームレスが 数珠

 の様に連なっている 

 昼間は 商店街のあちこちで

 酒盛りをする者 陽なたぼっこ

 をする者 よく見ないと前後の

 区別もわからない真っ黒な者が

 ウロウロ… 

 きっと ここは彼らにとって 

 暮らしやすい街なのだろう 


 駅裏のコンビニは  否応無し

 に こういう人とかかわること

 となる

 拾い集めた真っ黒に汚れた小銭 

 を持って酒を買いにくる 

 強烈な 汚れと臭い ゴミ漁り そして万引きである 

 お正月くらい雑煮を 素足の人には靴を おしりの出ている人には

 ズボンを 毛布を…. 


 そして いつも自問自答を繰り返す 

 「こんなことをして何の役に立つの」 

 「こんなことでは何も変わりはしない」

 「政治に任せておけばいい」 

 「それとも自己満足なのか」 

 答えはわからないので 気の向くままだ

 自分の進む道の景色なので目隠ししては歩めない

 自分は いったい 何処へ向かって歩いていくのでしょう


「店長 ホームレスが万引きです」 

 確かに汚れたコートの脇から何かが見える  

「もしもし、ここにあるのは何ですか」 

 ホームレスはビクッともせず 片寄った寿司の弁当を差し出し 

 悲しげな目を向けて出て行った 

 今日は、クリスマスだというのに…

 店長さんは その寿司と小さなケーキと熱いお茶を袋に入れ すぐ後を追った    

「いない どこへ行ったのだろう」  


 自転車に乗り換え ビルの暗闇を捜しながら 

 涙がポロポロ ポロポロ 止まらない 

 ああ 魂が泣いている 

                                                                  次へ